Z1 M.M様 スターターの空回り

スターターが空転してエンジン始動できなくなったとのこと。
お宅まで引き上げに行ってきました。
スタータークラッチの消耗でしょうか。分解点検します。
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はじめ、引っかかりながらも始動できていたそうですが、
とうとう全く引っかからなくなったそうです。
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現状はこんな感じ。完全に空転しています。

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ジェネレーターカバーを外します。
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スタータークラッチの噛みつき具合をチェックしようと、
スターターギヤを回すとマグネットローターごと回転します。
センターのボルトは止まったままです。
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その動画がこちら。

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どうやらボルトが緩んで、キーも飛んでしまったのかもしれません。
ボルトを緩めようとすると、ネジロック剤の抵抗はあります。
外したボルトをよくみると「7」の浮き出し文字があります。
これではチューニングエンジンとしてはトルクアップできず強度不足では。
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ローターを外すと、テーパー面には擦れた痕があります。イメージ 6

クランクにあるはずのキーはどこでしょうか。イメージ 7

よく見ると、キーは綺麗にせん断されています。イメージ 8

ドライバーで片側をたたき、打ち出します。イメージ 9
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折れ込んだキーが取れました。イメージ 11

ローター側にも片割れが残っています。イメージ 12

うまく取り出せました。イメージ 13

元々このキーは、ローターの空転を防ぐほどの強度はないので、
ボルトが緩むとこのように簡単にせん断されてしまいます。
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新品のキーはこんな形です。イメージ 15

強度不足であろうボルトの方は、かなり伸びてしまっています。
高い締め付けトルクに耐えられず、伸びて塑性変形したのでしょう。
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首下直下は伸びているのでピッチが広がっています。イメージ 17

チューニングエンジンなので、
最大限高強度のボルトを使い、高い締め付けトルクで取り付けたいところです。
代用は、M8のクロモリのキャップボルトでOKです。
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厚いワッシャーを挟んで、締め付けトルクは3.5kg・m以上は必要でしょう。イメージ 19

スターターギヤの中心部分は、かなり圧痕が付いているのでこちらも交換時期です。イメージ 20
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ローラーにも縦に圧痕が多数あります。こちらも要交換。イメージ 22

テーパー部のキズはイメージ 23それほど深くは無いようです。


バルブコンパウンドを付けて、擦り合わせしてみます。イメージ 24

強く押し付けながらグリグリ回します。イメージ 25

手ごたえが出てきたのでこのくらいで大丈夫でしょう。イメージ 26

洗浄して差し込むと、クッと噛みつく感じです。イメージ 27

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しばらく交換部品の入荷待ちです。イメージ 30