お宅まで引き上げに行ってきました。
スタータークラッチの消耗でしょうか。分解点検します。

・
はじめ、引っかかりながらも始動できていたそうですが、
とうとう全く引っかからなくなったそうです。

・
現状はこんな感じ。完全に空転しています。
IMG 0922
ジェネレーターカバーを外します。

・
スタータークラッチの噛みつき具合をチェックしようと、
スターターギヤを回すとマグネットローターごと回転します。
センターのボルトは止まったままです。

・
その動画がこちら。
IMG 0925
どうやらボルトが緩んで、キーも飛んでしまったのかもしれません。
ボルトを緩めようとすると、ネジロック剤の抵抗はあります。
外したボルトをよくみると「7」の浮き出し文字があります。
これではチューニングエンジンとしてはトルクアップできず強度不足では。

・
ローターを外すと、テーパー面には擦れた痕があります。

・
クランクにあるはずのキーはどこでしょうか。

・
よく見ると、キーは綺麗にせん断されています。

・
ドライバーで片側をたたき、打ち出します。


・
折れ込んだキーが取れました。

・
ローター側にも片割れが残っています。

・
うまく取り出せました。

・
元々このキーは、ローターの空転を防ぐほどの強度はないので、
ボルトが緩むとこのように簡単にせん断されてしまいます。

・
新品のキーはこんな形です。

・
強度不足であろうボルトの方は、かなり伸びてしまっています。
高い締め付けトルクに耐えられず、伸びて塑性変形したのでしょう。

・
首下直下は伸びているのでピッチが広がっています。

・
チューニングエンジンなので、
最大限高強度のボルトを使い、高い締め付けトルクで取り付けたいところです。
代用は、M8のクロモリのキャップボルトでOKです。

・
厚いワッシャーを挟んで、締め付けトルクは3.5kg・m以上は必要でしょう。

・
スターターギヤの中心部分は、かなり圧痕が付いているのでこちらも交換時期です。


・
ローラーにも縦に圧痕が多数あります。こちらも要交換。

・
テーパー部のキズは

・
バルブコンパウンドを付けて、擦り合わせしてみます。

・
強く押し付けながらグリグリ回します。

・
手ごたえが出てきたのでこのくらいで大丈夫でしょう。

・
洗浄して差し込むと、クッと噛みつく感じです。



・
しばらく交換部品の入荷待ちです。
