GPZ1100R M.M様 コンロッドベアリングの摩耗

ヴォスナーのピストンに合わせ、シリンダーのボーリングが完成しました。イメージ 1

エンジンのオーバーホール作業を再開します。
ヘッドは分解洗浄し、バルブのカーボンを落とします。
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ペーパーで研磨します。イメージ 3
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続いて、ヘッドサイドのオイルパイプは、
ボルトの6角穴が舐めてしまっているので外せません。イメージ 5

タガネで段を付けて、叩いて回します。イメージ 6

燃焼室のカーボンはリムーバーを使って取ります。イメージ 7

ヘッドの洗浄終了です。イメージ 8

ヘッドのデッキ面をキレイに仕上げると、
2番のスキッシュエリアになにやらキズがあります。イメージ 9

ノックの痕にも見えましたが、
どうやらピストンがぶつかって付いたキズのようです。
この気筒は、コンロッドベアリングが大きく摩耗しているようです。
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バルブステムシールを交換します。イメージ 11


バルブを組み付けます。イメージ 12
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これでヘッドは完成です。イメージ 14

エンジン腰下を再度点検します。イメージ 15

2番ピストンのカーボンが剥がれているのは、ヘッドに衝突したためでした。イメージ 16


2番ピストンを持ってコンロッドをラジアル方向に動かすと大きくガタつきます。
その動画がこちら。
コンロッドベアリングが大きく摩耗している証拠です。

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ここにきて、エンジン腰下も下ろして分解修理することに。
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ピストンを外します。イメージ 18

2番コンロッドの大端付近は、高熱によるテンパーカラーが付いています。イメージ 19

腰下を分解します。イメージ 20

事前の情報では、
エンジンオイル交換の際に異物は確認できなかったとのことですが、
実際は相当な量の異物が堆積しています。
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クランクを取り出します。イメージ 22

メインメタルは無事でしたので、クランクケースも無事ということです。イメージ 23

クランクからコンロッドを外します。イメージ 28

2番のコンロッドメタルは、摩耗して薄くなったものが僅かに残っています。イメージ 29
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クランクを点検します。
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2番クランクピンは摩耗しているため、クランクは要交換です。イメージ 25

2番コンロッドはこんな感じ。
連続高回転で摩耗した場合、発熱して焼き付いて、
最後にはコンロッドが途中で折れてクランクケースを突き破るところでした。
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1番コンロッドもかなり摩耗が進んでいます。イメージ 27

オイルパンに堆積した異物を取り出してみます。イメージ 31

銅色をした破片が多数見られます。イメージ 32

薄くウロコ状になった小さな破片は、
コンロッドの大端メタルが摩耗して出てきたものです。
日頃のオイル交換の際は抜いたオイルを良く点検し、
この破片1個でも見逃さずに発見することが重要です。
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メタルが摩耗した2番コンロッドです。
摩耗後に低回転運転を続けると、メタルがこのように薄くなり回転します。
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残っているのは裏板の鋼の部分です。
もともと3層のトリメタルなので、
その上に焼結やメッキで盛った合金部分があったのです。

オイルレベルを確認せず、油圧低下した状態で走った代償は、
ことのほか大きかったですね。