角Z1000 シリンダースリーブの陥没

先日の朝練で、エンジンから異音が出てきたので点検します。
シリンダー&ピストン交換後、約2000km走行しています。
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音質は排気漏れのような「パスパス」といった感じで、
発進のスロットルオンの時によく聞こえ、回転上昇につれて聞こえなくなります。
ですが、音の出所がエンジンのどの場所かわかりにくいのです。
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ガバナーのバネが少し緩いので、進角のトリガーが回転方向にガタがあり、
そこも音の原因かと疑いますが違うようでした。
カムチェーン周りも点検し、テンショナーを外してみても特に異常はありません。イメージ 3

音の出所はエンジン中心部にも思えますが、
一応、マフラーを外してクラックなど無いか点検します。イメージ 4

集合部分など、溶接個所にもクラックなど無いようです。
マフラーのガスケットは新品交換してみましたが、音は止まりませんでした。
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音とは関係ないですが、1番エキゾーストバルブだけが、
オイルでだいぶ濡れています。
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ガイドの根元から濡れているので、
ヘッドに対してガイドが緩くなってきたかもしれません。イメージ 7

プラグキャップにもガタがありました。
本来付いているはずのこのスプリングが数ヶ所にありません。
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残っていたスプリングはサビが酷く、交換の際に割れてしまいました。
無くなったところには、新しいスプリングを取り付けます。
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シリコンのオレンジキャップは、上から差し込むだけです。イメージ 10

もう一度エンジンを始動して、音の出所を探してみると、
ようやくその場所がわかりました。
ヘッドガスケットが抜けているようで、
カムチェーンテンショナーの上のあたりからガスが出てきます。
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その動画がこちら。

20171106ヘッドガスケット抜け

ヘッドの締め付けトルクを確認しても異常ありません。
少し増し締めしても漏れは変化せずガスが出てきます。
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分解点検することに。
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カムを外す前にバルブクリアランスを計測しておきます。イメージ 11

カムホルダーの締め付けトルクも確認しておきます。イメージ 14

前回から3番のカムキャップは別のエンジンの物を流用しているので、
メタルの当たりも確認します。イメージ 13

手前が流用したカムキャップです。
片方のメタルが若干片当たりしているのがわかります。
何とか許容範囲と考えます。
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シリンダーのM6ネジもトルクチェックします。
左側はネジが上がってしまいました。こちらはヘリサートを入れる予定。イメージ 15

ヘッドを外します。ガスケット抜けの場所が見えてきました。イメージ 23

ヘッドガスケットが抜けていたのは、
2番シリンダーのカムチェーントンネル側です。イメージ 16

一番弱いところではありますが、
ボアはφ72ミリなので、この部分のガスケット幅は十分あるはずです。イメージ 17

ヘッド側はこんな感じ。イメージ 18

ビードの痕はくっきり付いているので、
抜けた原因はヘッドで側ではないようです。イメージ 19

シリンダーを良く観察すると、
1番2番のスリーブがシリンダーデッキ面より下がっています。イメージ 24


加工済のピストンとシリンダーのセットで仕入れたものですが、
納入時は面研磨されて平面が出ていたものですが、現在ははっきり段差があります。
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シックネスゲージで測ると、段差は約0.15ミリあります。
これでは、メタルヘッドガスケットの面圧が下がり、吹き抜けるのもうなずけます。
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シリンダーについては、加工の依頼先で再度面研するよう手配しました。
もちろん、加工前にはプレスで1トンの荷重を掛けてスリーブを押してから
面研はしているとのことですが、こういう結果になることもあるのですね。